数あるヒマラヤ水晶の中で格段に少ない水晶はアメジストです。これは、ヒマラヤ山脈の東の果てナムチェバルアから西の果てナンガパルパッドまで、また、K2やラカポシ等のカラコルム山脈更にはヨーロッパアルプスまで共通の特徴です。また、古代造山運動のウラル山脈でもスモーキークォーツは多産しますが、アメジストは有りません。
アメジストの発色には鉄イオンが不可欠です。鉄分の多い産地での代表はスーパーセブンです。ブラジルやアフリカ各地、インド南部にはアメジストと鉄系の鉱物がインクルする物が多く見られます。
話しを戻すと、造山運動では、鉄分が少ない地層（主に海底地層）が収縮して盛り上がり高い山脈が出来たのでは無いかと推測します。
しかし、例外的に鉄分の含んた地層が造山運動よ影響を受け、標高の高い地点でもアメジストが成長したと思われます。これらのアメジストは大変色が薄く、クリアな水晶と変わらない色の物もあります。
今回出品したアメジストは、かなり以前にガネーシュヒマール産エレスチャルとして入手した物で、トップ付近が僅かに色付いている感じです。
裏面は雲母の母岩から外れた痕跡があります。

86.5×57.1×40.8mm 203.3g

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